ヨハネスブルグの「世界で最も危険な」チャイナタウン

先日は,ヨハネスブルグのニューチャイナタウンについて紹介しました。ニューチャイナタウンがあれば,オールドチャイナタウンもあります。

ヨハネスブルグのオールドチャイナタウンは,中心部,すなわち「CBD」(中心業務地区)に形成されました。アメリカ式の表現では「ダウンタウン」です。

ヨハネスブルグのCBDは治安が悪いことで有名です。ですから,ヨハネスブルグのオールドチャイナタウンは,「世界で最も危険なチャイナタウン」とも言われます。実際に歩いている人は少ないです。前方で歩道に座り込んでいた浮浪者が,私を見て立ち上がりました。と同時に,私は道路を横断して,反対側に逃げました。アメリカに住んでいた時にも,いつも歩きながら,前だけでなく,後も振り返っていた,あの時の感覚が蘇ってきました。

今回,ドバイ乗り換えで,23時間もかけてヨハネスブルグに来た目的は,「世界でも最も危険なチャイナタウン」を訪れることでした。

これまでの経験で,カメラを持っているだけで狙われるので,写真はスマホでそれとなく撮りました。それでも,私の後ろから,声をかけてきた若い男がいました。よく警備員が着ている緑色のベストを身に着けていました。私を後ろから追いかけてきて,「どこに行くんだ。私は怪しいものではない。セキュリティーの関係者だから心配するな」と声をかけてきました。ブラジルやスペインでも,歩いているだけで,たくさんの人が声をかけてきました。経験的に,それは「さぐり」だとわかっていました。さぐりを入れて声をかけるのは,いちばん下っ端の役割で,すぐ周りには仲間がいるはずです。

私は,声をかけられても,返事をすることなく,急ぎ足でその男を振り切りました。返事をすると,相手に「こいつは旅行者だ。外国人だ。いいカモだ」などの情報を与えてしまうことになります。今回もそうですが,もし襲われた時には,「どうぞお持ちください」と言うつもりで,ポケットに少額の現金を入れています。海外では,財布は使いません。

写真は,杜省(トランスバール州)中華会館とその前の龍のモニュメントです。