2018年6月下旬,立正大学の地理学科3年生,16名で,横浜中華街で人文地理学の現地調査(フィールドワーク)を実施しました。今,その成果報告書をまとめているところです。

「今どきの若者」には,横浜中華街がどのように見えたのでしょうか。

まずは,率直な感想を尋ねてみました。

若者は横浜中華街をどう見たのか?

・修学旅行生とたくさんすれ違ったが,皆,肉まんなど軽食を片手に持ち,座って食べている人が多く,店の中で食べようとする人はあまりいなかった。軽食を食べた後のゴミは各自で持ち,ゴミ箱を探している人たちもいた。軽食店が増えたが,街中にはゴミ箱が見られなかった。

・食べ放題の店が目立ち,料金(例えば1,680円)が同じ店が多かった。食べ放題の店は,甘栗売りのように,客引きをしている店が多い印象をもった。

・食べログ,ぐるなびなどのネットでの高い評価を宣伝に用いている店舗が多いのに驚いた。そこらじゅうに「ぐるなび3年連続1位」といったような立て看板が見られた。しかし,よく見ると,それがいつのことなのか書いてなかった。

・横浜中華街では,中華料理店やみやげ店が立ち並んでいる地域と,マンションやアパートが多く建てられている地域が混在している。と同時に,中国人と日本人も入り混じって生活している場所だと感じた。
・思っていたより日本人以外に,欧米系の人やアジア系の人が見られた。外国人は日本を観光するルートの一部として中華街を訪れているのだろう。

・横浜中華街の一画にマンション用地があった。マンションを建てる際には,景観に配慮して,1階部分を中華街らしい店舗にしたりする必要があるのではないか。

・横浜中華街を訪れている観光客を見ていると,その約8割が中高年で,若年層の観光客はあまり見なかった。見かけたとしても中学校か高校の制服を着た生徒であった。平日だったので,週末は異なるのかもしれないが。男女でみれば,女性が多いと感じた。おそらく,飲食店が多いので,女性の人気が高いのだろう。

・マンション,ホテル,複合商業施設,駐車場なども多く見られ,新しく建設中の建物も多い。横浜中華街も新しい街に変わろうとしているようだ。

・もっとも強く感じたことは,客が気軽に休むことができる場所の少なさだ。ベンチなどもほとんどなく,文字通りの「食べ歩き」状態になっている。また,公衆トイレも二か所しかなく,やっと見つけた商業施設のトイレは有料だった。

・私は,露店で食材を売っている在日コリアンの婦人と話をした。かつて,中華街にはコリアンも多かったそうだ。近年,福建省から来た新華僑が増えているが,老華僑もコリアンも,口をそろえて「福建出身の新華僑たちには勝てない」というらしい。かつて繁盛した店の多くは,今では,自分の店を新華僑にテナント貸しするようになったという。

 

「食べ放題,飲み放題」に挑戦して

西門通りにある新華僑経営の中国料理店の「食べ放題,飲み放題」コースを,全員で味わいました。学生のほとんどは,中国料理のオーダー式バイキングは初体験でした。その時,学生たちはどう感じたのでしょうか?。

選択したコース →「75品食べ放題コース,プラス2時間,50種類飲み放題付き」 3,480円(税込)

・回鍋肉を食べている時に気づいたことだが,家庭や街中の中華料理店で食べる回鍋肉はあまり辛くないのに,この食べ放題の店で出てきた回鍋肉はしっかり甘味と辛味があった。つまり日本の中華料理は,日本人向けにアレンジされ日本風だったのだと初めて知った。

・食べ放題に挑戦してみて,思ったより料理が大盛で出されていたのが驚きだった。個人的には,日本テレビの番組「ぐるナイ」の“ゴチになります!”シリーズのイメージがあったため,少量で,いっぱい楽しめるという勝手な固定概念を抱いていた。

・友達が,豚足を頼み,自分が最初に口にした時に,「味がイマイチ」と皆の前で言ってしまったのが原因で,誰も豚足に手を伸ばさなくなった。仕方なく,四川麻婆豆腐,油淋鶏,回鍋肉など中華料理を食べながら,豚足を一個ずつ減らし,自分一人で一皿たいらげた。・おいしいと感じたのはエビマヨ,チャーシュー,バンバンジー,手羽先の揚げ。

・食べ放題なので一品の量は少ないと想像していたが,予想外に量が多かった。また,注文して出てくるまでのスピードも速く,次から次へと料理が運ばれてきて食べるのが大変だった。

・意外と辛い料理が少なかった。四川風麻婆豆腐は辛かったが,担々麺や油淋鶏などはもっと辛いと想像してた。

・生まれて初めて,北京ダックを食べたが,思っていたよりも包む皮が厚く,またダックの皮も想像より厚く食べ応えがあった。北京ダックは,自分で餅皮で包むので,食べていて楽しかった。でも,挟んでいたものが,本物の北京ダックなのかどうかは,私にはわからなかった。先生は,首を横に振っていたように見えた。北京ダックは肉だけでいただくものだと思っていたが,皮とキュウリなどといっしょにいただくということを初めて知った。

・フカヒレスープは,思ったほどフカヒレ感は感じられなかった。本当のフカヒレを使っているのかわからない感じだった。

・大きく丸いテーブルは,全員の顔が見えて話しやすい上に,テーブルが回転するので料理を取りやすく便利。しかし,料理を取るタイミングがよくわからなかった。取っている間に回ることもあった。〔山下清海注:学生のほとんどは,今回,円卓の回転テーブルを初体験〕

・安価な食べ放題コースの場合,肉料理のメニューが多く,肉や炭水化物を多めに食べると,すぐに腹がいっぱいになりそうな気がした。

・私はあまり食事で量が食べられるタイプではないので,食べ放題は好きではない。しかもアルコールも飲めないので,同じ3,500円だったら高級な店で同価格の一品料理を食べるほうがよかった。